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現存する最古の酒蔵での展覧会
鑑賞ではなく観察する作品展




ナマエについて考える。
この世界のナマエについて考える。
ワタシやアナタや土や空や水について考える。
光や速度や距離について考える。
記憶や気配や匂いについて考える。
この世界を形作る幾つものカケラについて考える。
それはナマエではなく、目には見えないカタチである。
ナマエはなくとも確かにそこに存在する、
そういったモノたちが僕らの周りにはたくさんある。


20日間で3400人の方にご来場いただき、
好評のうちに全日程を終了致しました。
ありがとう御座いました。












mama!milk


architecture projection
Yoshimitsu Kiyotaka

【CONTENT / 内容】
島田荘司や桐野夏生の小説の表紙オブジェの造形作家として、また近年は維新派の舞台美術家としても活躍の黒田武志が、兵庫県伊丹市にある国指定重要文化財「旧岡田家住宅・酒蔵」と県指定文化財「旧石橋家住宅」でオブジェ・映像・インスタレーションの作品展を開催。grafの服部滋樹を迎えてのコラボ作品やトークセッションに加え、mama!milkによるアコーステックライブ、吉光清隆による美術館壁面への映像プロジェクションなどコラボイベントも同時に行います。
2008年2月大阪梅田HEP HALLに4500人を動員した作品展『百年後の博物館』では、ファッションビルの最上階に廃校となった小学校の教室(白藤垂人とのコラボ)を造りその中に作品を展示、2008年8月〜2010年1月には大阪心斎橋のBar[FINNEGANS WAKE]1+1にて18ヶ月間連続で毎月新作を発表する新作実験室『6×3ュ18』を実行するなど独特の形態で作品を発表してきました。
そして2010年を締めくくる『ナマエのないカタチ』では、二階建ての日本家屋の中を散策してもらえるように作品を配置、和の空間そのものを体感しながら作品に触れてもらい(実際に触って音がする作品など)、畳の上や縁側でのゆったりとした時間の流れの中で、鑑賞ではなく観察することで発見のある作品展をめざします。また酒蔵では映像インスタレーションを展示。試薬瓶の中で起きている現象をリアルタイムに床に投影し、その映像の中に観察者は入っていくことが出来る。そしてその光景を目にする他の観察者からはその人物がパフォーマーのように見えるという、二重構造を持った作品になります。今回の作品展は新作実験室『6×3ュ18』の作品を中心にBOX ARTや映像作品など新作を含む約80点を展示。『百年後の博物館』以来の大規模な展覧会になります。



【SPECIAL EVENT / カタチのないカタチ】
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●黒田武志×服部滋樹トークセッション
  「地図のない話 その五」
 終了

 11月23日(火・祝)15:00受付開始・15:30開演
 一般2000円 学生1500円(要学生証)/ワンドリンク&フード付
  限定80名/要予約
  (Tel.072-772-5959 email.bunkanosato@jewel.ocn.ne.jp 
  /イベントタイトル・人数・お名前をお知らせ下さい。)
 ※メビック扇町でスタートしたシリーズの第五弾。
   今回は作品について語りながらお互いの、「ものづくり」とは?
   「ナマエ」「カタチ」とは? について語りたいと思います。
■11月23日限定カフェOPEN! by graf
12:00 open
-food-
*菊菜の白和えと蒸し鶏のサンド+酒粕の豆乳のスープパスタセット  700円
-drink-
*ビール 缶 500円
*日本酒  500円
*自家製 甘酒 300円( 甘みたっぷり、米と麹をじっくり煮込んで仕上げてます。)
*自家製ジンジャーシロップドリンク( ソーダ割り or お湯割り) 各300円
*茎ほうじ茶 HOT 300円

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● Mama!milk アコースティック・ライブ 終了
 12月10日(金)18:30受付開始・19:00開演
 3000円/ワンドリンク付
  限定80名/要予約
 (Tel.072-772-5959 email.bunkanosato@jewel.ocn.ne.jp
  /イベントタイトル・人数・お名前をお知らせ下さい。)
 
[ 出演 ] mama!milk
 [ インスタレーション ] 黒田武志
 [ プロジェクション ] 吉光清隆
 [ 照明 ] 筆谷亮也
 [ ケータリング ] 川西万里(graf salon)・堀田祐介(料理研究家)
 [ ディレクション ] 服部滋樹(graf)

 ★ mama!milkライブにお越しのお客様に限り、ナイトミュージアム開催!
  特別にライブ終了後21:30まで作品鑑賞・飲食をしていただける事になりました。
  grafによるdrink&foodと共に、この日だけの夜の展示をお楽しみ下さい。

 -drink-
  *シードル 林檎の発泡酒
  *グロッグ スパイシーホットワイン
  *ポムのスパイスミルクティー
  *自家製ジンジャードリンク soda or hot
 -food-
  *林檎と豚肉のクレープ
  *洋梨のクレープ バニラアイス添え
ATTENTION! 要注意!
10日(金)はmama!milkライブのため、酒蔵の作品展示は15:00までとなります。
ご注意下さい。他の展示は通常通り18:00までです。

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●黒田武志×吉光清隆
 アーキテクチャ・プロジェクション
 終了

 11月26日(金)・27日(土)・28日(日) (雨天中止)
 17:00頃から会場庭園内・美術館壁面に映像作品を投影
  無料
 ※ 事前にアンケートで○△□にナマエをつけてくださいとお願いし、
   244人の方にナマエをつけていただきました。
  そのナマエを素材に映像作品を制作、投影します。
  あなたの書いたナマエが登場するかも知れません。





【会場となる伊丹市立伊丹郷町館とは】
「旧岡田家住宅・酒蔵」と「旧石橋家住宅」からなり、広く一般に公開されています。「旧岡田家住宅」は江戸時代の延宝2年(1674年)に建てられた町家で、建立当初から酒造業を営んでいました。岡田家の所有となったのは明治33年。店舗は、兵庫県内に現存する最古の町家で、年代が確実な17世紀の町家としては全国的にも貴重。酒蔵は、現存する最古の酒蔵で、江戸時代に隆盛を極めた伊丹の酒造業の歴史を今に伝える重要な文化財です。平成4年に国指定重要文化財となりました。「旧石橋家住宅」は江戸時代後期に建てられた商家で、母屋の正面には摺(す)り揚げ大戸の出入口装置やバッタリ床几(しょうぎ)、揚見世(あげみせ)など、2階には塗り込めの軒裏と虫籠(むしこ)窓、出格子窓など、建設当初の店構えを残していることから、平成13年に県指定文化財となりました。石橋家は、18世紀に猪名野神社の門前通り北少路村に移り住んで商売を始めます。明治以降は紙と金物の小売業のかたわらに酒造業を始め、日用品の雑貨商を営んでいました。内部には伊丹の酒造業の歴史展示があり無料で公開されています。
(旧石橋家住宅は靴を脱いで1・2階の部屋に上がって頂くことになります。)
※みやのまえ文化の郷とは
市立美術館、工芸センター、伊丹郷町館(旧岡田家住宅・酒蔵、旧石橋家住宅) に(財)柿衞文庫を加えた文化ゾーンの愛称です。江戸時代の商家や酒蔵の文化財と日本庭園を常時公開しています。





『CONSIDERATION/考察:その一』
ナマエとは何でしょう? ナマエによって物は固定され認識される。確かにナマエがあれば便利です。物事を伝えやすい。でも本当にそうでしょうか? ナマエによって固定された情報からこぼれ落ちたたくさんのイメージが、僕にはあるように思えます。そのこぼれたモノの方が実は重要だったりする。grafの服部さんとのトークセッション「地図のない話」でいつも浮かび上がってくる言葉に「無駄」「遠回り」「不便さ」があります。これらはかなり重要なキーワードなのではないかと、僕らは思っています。
何かを説明するときにナマエでは無くその周りにある情報を出来るだけ伝える。出来る事なら現物を見せる。面倒で時間がかかる作業ですが、その無駄とも思える七転八倒のなかから伝わってくる何かが存在するように、僕には思えます。ナマエのないあやふやなカタチ。固定されていないそのカタチを僕らは必死で捕まえようとしています。それをたった一言のナマエで片付けてほしくない。大切な事には足を運び、自分の身体で感じ、考える。単なる情報ではなく、そのモノをちゃんとイメージするために。
この作品展がそのヒントになれば良いと思っています。

 

『CONSIDERATION /考察:その二』
酒蔵で作品展をするという事。酒造りで有名な伊丹で展覧会をする。僕がすぐに考えたのは菌の事でした。菌による醗酵と化学反応。気温や湿度の変化。その場所が持っている特徴や空気が、米や水と同じように重要だと聞いた事があります。そして時間。すべてカタチのないモノたち、変化し続けるモノたちです。僕の作品のコンセプトと重なったこれらのキーワードから「ナマエのないカタチ」は生まれました。
そして、僕の作品にはナマエがありません。
「この作品のタイトルは何ですか?」とよく聞かれることがあります。そのたびに僕は「砂粒ひとつひとつにナマエが無いように、個々の作品にはナマエが無いのです。たとえばサハラ砂漠やゴビ砂漠のように砂漠のナマエはあっても、そこの砂ひと粒ひと粒にはナマエは無い。あなたもあなたのナマエはあるけれど、あなたを形作っている細胞のひとつひとつにはナマエが無いのと同じです。」と答えています。ですから僕の作品にはsandscapeというプロジェクトの名称と展覧会ごとのタイトルがあるだけで、個々の作品にはナマエがありません。これらの作品は細胞や砂粒と同じように展覧会ごとに組み合わせを変え、細胞分裂のように、砂漠の風紋のように見え方を変えていくのです。僕が展覧会や作品集のタイトルに使っているoperationには、作業や働き・影響や効果・手術・作戦計画といった意味と、オペラの語源になった作品という意味があります。僕がこの言葉を使うのは展覧会会場や作品集自体を、ひとつの作品ととらえている事と、sandscape(砂の風景)へと向かう作業や効果ととらえているいる事の、二つの理由からです。
砂は、違う場所に飛んでゆけば、そこの砂漠のナマエになる。固まれば石や岩になります。あなたから引き継がれた細胞は、また違う別のナマエの誰かになり、引き継がれなかった細胞もまた別のナニカになっていく。そうやって外側のカタチやナマエを変えながら、永遠とつながっていくモノ達。sandscapeとはそうした変化の物語なのです。




『PROFILE-コレマデのカタチ』
◆黒田武志 Kuroda Takeshi (sandscape)
1962年岡山県出身。造形作家・グラフィックデザイナー。sandscape主宰。大阪を中心にインスタレーション、オブジェ等の作品を発表。桐野夏生・島田荘司・長野まゆみなど小説の表紙や挿画に作品が使用される。2001年美術館巡回展『BoxArtム箱の中の秘められた宝物たちム』で世界のBOXARTアーティスト32人の中に選ばれる。また、雑誌・単行本のアートディレクターション・ロゴタイプ等、グラフィックデザイナーとしても活躍。演劇との接点も多く、数々の劇団のフライヤーやパンフレットを手掛けている。HEP HALLプロデュース『ハムレット』(2004)『夏の夜の夢』(2005)では舞台美術から衣裳・小道具・宣伝美術まで、全体の世界観をまとめるアートディレクションを担当。「維新派」では『キートン』(2004)『ナツノトビラ』(2005)『nostalgia』(2007)『台湾の灰色の牛が背のびをしたとき』(2010)の舞台美術を担当。2008年2月の大規模個展『百年後の博物館』(HEP HALL)では4500人を動員、タテタカコ、SIBERIAN NEWSPAPERらと音楽とアートのコラボを実現した。2008年8月〜2010年1月は18ヶ月間毎月新作を発表する連続プロジェクト「新作実験室[6×3ュ18]」(bar FINNEGANS WAKE1+1)を行う。オブジェ作品集に『ON THE PAPER』『不純物100%』がある。
http://homepage.mac.com/sandscape/

服部滋樹 Hattori Shigeki (graf)
1970年大阪生まれ。graf代表・デザイナー・クリエイティブディレクター
京都精華大学デザイン学部建築学科 准教授
1998年大阪、南堀江にショールーム“graf”をオープン。2000年“decorative mode no.3”設立。同年、中之島に移転し、“graf bld.”を設立。オリジナル家具の企画・製作・販売、店舗・住宅・建築設計、グラフィックデザイン、アートディレクション、ブランディングに至るまでプロジェクトごとに幅広い活動を行っている。2005年 咲くやこの花賞 美術部門 受賞。 2006年 第三回アサヒビール芸術賞 受賞。
graf:decorativemode no.3 design inc.
スペースデザイン、家具、照明、グラフィック、プロダクトデザイン、アートから食に至るまで「暮らしのための構造」を考えてものづくりをするクリエイティブユニット。既存のものにとらわれない自由なデザイン展開で、多方面にわたり活動中。
http://www.graf-d3.com

mama!milk
生駒祐子(アコーディオン)、清水恒輔(コントラバス)を軸とするユニット。 京都を拠点に、各地の様々な空間で演奏を重ね、その独創性溢れる数々のアルバム作品と、「Cinematic Beauty」とも評される艶やかなパフォーマンスが、インストゥルメンタル音楽の世界で独自の輝きを放っている。近年は、アナログ・レコーディングによる「Fragrance of Notes」、ホール録音による「Parade」、とある廃墟でのフィールド・レコーディングによる「Quietude」という、それぞれ独特 の美に彩られたアルバム作品を発表。同時に、アコーディオンとコントラバスのシンプルなデュオから、ゲストを迎えてのコンボやアンサンブルなど、様々なスタイルで演奏を行う他、映画や舞台音楽など、多岐にわたる魅惑的な活動を自在に展開している。
http://www.mamamilk.net

吉光清隆 Yoshimitsu Kiyotaka
1978年生。映像作家。インスタレーションや舞台作品、パフォーマンスなど空間を意識した映像作品を制作している。演劇、ダンス、現代美術など様々なアーティストに対しての映像提供、協力も多数。建築物の形を利用した映像を投影する「Architecture Projection」プロジェクト等を展開中。ソロ作品に「layer」神戸ビエンナーレ2007、「colors」BIWAKOビエンナーレ2010、等がある。また、言葉を使用しないパフォーマンスグループ「the original tempo」のメンバーとしてシンガポール・韓国・ロンドン・スコットランド等での公演を行う。デザイン事務所cursorとのユニットで、生活の中にあるものを今までと違う感覚でデザインする「mono×life×projection」としても活動中。

youtube




■会場
伊丹市立伊丹郷町館(旧岡田家住宅・酒蔵/旧石橋家住宅)
月曜休館(祝日は開館・翌火曜休館)
兵庫県伊丹市宮ノ前2丁目5番28号 「みやのまえ文化の郷」内
072-772-5959
http://hccweb1.bai.ne.jp/itamihall/zaidan/gotyou.html
●JR大阪駅より宝塚線で15分。
 
JR伊丹駅下車、北西へ徒歩6分
●阪急梅田駅より神戸線塚口乗り換え伊丹線で22分。
 伊丹線伊丹下車、北東へ徒歩9分
 



主催■伊丹市立伊丹郷町館[伊丹市+公益財団法人 伊丹市文化振興財団]
協力■メビック扇町 
協賛■セイコーエプソン株式会社